認知症の母が、実家を水浸しにしてしまい、住める状態ではないということで、現在母は施設にお世話になっている。

それまで嫌がっていた施設でのお風呂や洗髪も、今回勧めると素直に従ってくれたのだそう。

母は、長年かつらを着用していた。
年配になってからでなく、わりと若い時期に部分的に薄くなったようで、それを隠すために使っていたそうだ。恐らく、今の私の年齢の時には使っていたのだろうが、長らく私は全く気づかなかった。

美意識の高い人だったと思う。美人と言われ、自分でも意識していた様子は子供心にわかったし、専業主婦でも常に朝からお化粧をして、髪を整え、身支度を整えていた。毎日ブラウスにスカート、ストッキングを履いて、だらりとした部屋着やズボン姿を見たことはなかった。それに、私が実家で過ごした18歳までの間で、母のスッピンを見た記憶は無い。



最近になって、かつらの茶色い部分と、地毛の白髪部分のコントラストが目立つようになっていた。地毛は白髪染めしていたのだが、さすがに頻繁には出来なくなっていたからだ。

先日、施設に母を迎えに行くと、嬉しそうに出てきたのだが、かつらの無い、母の頭部の髪がとても薄くて、ギョッとした。

昼間から、母の薄い髪を見るのは初めてのことだった。
自宅にいた時は、最近でさえ、夜寝る前に外すところを見た程度だ。

施設の方から、かつらを外していることは聞いていた。かつらと洗髪はセットで、母に関わる大事な問題だったので、施設とは問題を共有していた。

今の母にはかつらなど必要ない。今の状態が自然でベストなのだ。

頭ではわかっているけれど、外見の明らかな変化、しかも劣化という、目に飛び込んでくるインパクトは絶大だ。

ギョッとして、切なくて、一瞬涙が出そうになった。

美意識が高く、プライドが高く、娘にさえかつらを取った姿など見せなかった人が、薄い頭頂部をさらしていることもお構いなく、ニコニコと人前でしゃべっている。

同行した妹も、同じことを感じたに違いない。

それでも母の髪は薄いながらも綺麗に整えられ、少し長い後ろの髪はとても可愛らしくまとめられていた。そのヘアスタイルを見れば、施設の方が丁寧に母に接してくれていることは一目瞭然だった。




後日妹から「母の帽子を探してあげないと、寒そうだから。」とLine。

何を言いたいかはすぐにわかった。
あの薄い頭頂部を見るに堪えなかったのだ。

水浸しで慌てて施設に仮住まいさせてもらっているので、必要なものを少しずつしか施設に持ち込めず、今度実家の片付けに行ったら、探してあげたいという意味だろう。

実は私も、実家の片づけをしていた時に毛糸の帽子を見つけて、母に持っていこうかと一瞬思ったのだが、温度調節された施設にいて、仮に足が冷たいことはあっても頭が寒いことはないだろう。被れば可愛らしいかもしれないが、かえって蒸れて、施設の方に迷惑かもしれず、必要ないと判断したのだ。

このことを伝えると、妹もすぐに納得した。

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母のことは、ずっとキライだった。

女として、妻としては大した女性かもしれないが、母親としては最悪だ。

だから今も好きではないし、
これからも、好きになることはないだろう。

だけどたった一人の母親が、ボケて変わっていくのを見るのは、切ないものだ。


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